やっぱり面白い心理学論文

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やっぱり面白い心理学論文

論文イラスト

みなさんの家庭は

“共働き世帯”でしょうか?

世帯所得の減少

女性の社会進出により

年々、“共働き世帯”は増加しています。

そんな“共働き世帯”についての

面白い心理学論文を紹介します。

 

 

夫のストレスと妻の稼ぎの関係

男女が天秤に乗っている

 

『夫のストレスは妻の稼ぎが

世帯収入の40%を超えると増加する』

これはアメリカで研究され

論文に執筆された内容で

夫の心理的ストレスは

妻の稼ぎが世帯収入の

40%の時に最も少なく

40%を超えると

増加することがわかったようです。

 

ちなみに

夫のストレスは

妻の稼ぎのみで世帯収入が

成り立っている場合に最も高く

逆に

妻が無収入の場合にも

それなりにストレスが大きかったそうです。

 

 

 

社会通念がメンタルヘルスの悪影響を与える

つまり

「妻が、いくらか稼ぐのは良い事だが

夫は妻よりも稼ぐべきだ」

(共働きの場合

世帯収入の半分より多く

夫が稼ぐべきだ)

というジェンダーの社会通念が

男性のメンタルヘルスに

悪影響を与える可能性を

示唆しているのです。

 

 

最近の日本での傾向

男性が育児や家事をするイラスト

 

最近の日本の

世論調査データによると

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」

という考え方に対しては

反対派が増えつつあるようです。

令和元年9月時点では

反対が6割程度となっています。

女性が外に働きに出ることや

男性が家事育児などに

関わることに対する意識・志向は

高まっている傾向に

あるのかもしれません。

 

 

 

夫婦での話し合いが大切

 

人物が会話しているイラスト

家庭や仕事に対する考え方

価値観は時代により変化していますが

様々な夫婦のあり方が存在し

一概に“夫婦とは

どうあるべき”という考え方は

できません。

パートナー同士で話し合いながら

お互いが納得し

気持ちよく過ごせる

理想の形を

追求していくことが

ベストだと考えます。

 

 

夫婦関係が良いとかすり傷も早く治る

譜面の上にアルファベットのイラスト

アメリカのオハイオ州立大学

キーコルト・グレイサー研究チーム

参加者は22歳から77歳

平均年齢37歳

結婚年数平均12年のカップル42組

大きな水ぶくれを潰した傷が治るまでの

時間を計測

①穏やかな話し合いを行った

②日頃から夫婦間で話題になっている

感情的になる話題(例えばお金や親戚関係など)

について話した場合

③敵意を持って話し合いをした場合

 

結果

傷が治るまでに

①は5日

②には6日

③は7日かかった。

 

教えは何か

結婚生活でのストレスは

健康に大きな被害をもたらす

これは慢性的な体調不良や

深刻な病気による死亡率だけではなく

傷の治り具合といった

日常的なところにまで関係してくる

といったことを解明した実験。

 

ちなみにストレスの多い結婚生活は

喫煙習慣と同じくらいの悪影響を

心臓に与える可能性がある

という研究結果あります。

 

こどもへの「ごほうび」

 

レッパーらの1973年の実験

3歳から5歳の園児51人が対象。

マジックでお絵描きをさせ

実験前と後でのお絵描きへの

興味の度合いの変化を比較

①事前に絵を描いたらご褒美

(金色のシール)がもらえる

と教えた場合

②絵を描いた後にご褒美は与えるが

事前にはご褒美のことを教えない場合

③ご褒美を与えない場合

 

結果

①のご褒美を与える場合で

しかも与える事を事前に

知らせていた場合のみが

他の条件に比べて

お絵描きへの自発的興味を失っている

結果となった。

 

教えは何か

子供に与えるご褒美がかえって

子供の自発的なやる気をなくさせてしまう

可能性があるという事。

ご褒美にばかり関心が

向くようになってしまい

本来の活動に対する

関心が下がってしまうという事。

 

しかし例外としては

相手を褒めるなどといった

社会的報酬は金品の報酬とは異なり

人の動機付けを高めるという結果も出ている。

 

またご褒美は全く悪いものであるとも

言い難い。

③の褒美をまるで与えない

場合よりは

②の褒美をあたえるが

事前には知らせなかった場合

の方が実験後に

再度お絵描きをした

子供の数は多かった。

要するにさじ加減が大切という事か。

また金品のご褒美は

言い方を変えれば

お金や品物で

簡単に済ませてしまおうとする

手抜きであるともいえる。

これさえやれば子供のやる気を

確実に引き出せる

そんな夢のような方法は

結局手間暇をかける

以外にはないのかもしれない。

 

「クソ!」侮蔑語の持つ効果

腕組するイラスト

 

北イリノイ大学の心理学チームの研究

クソなどの下品な言葉が

人間の信頼度や

説得力にどのように影響するか

調べた。

大学の授業料を下げるべきだ

という5分間のスピーチビデオについて

damn(くそ、ちくしょう)という

軽い軽蔑の言葉を

①使う場合と

②使わない場合

の2通り作った。

 

結果

①悪態交じりの方が

授業料値下げの

賛同者を多く得る事が出来

かつ話し手の信頼度は

落ちていなかった。

ただし

授業料の値下げという話題は

もともと学生にとって好意的に

受け止められる内容であり

別の話題では

同じような効果は得られなかった

むしろ

同意しかねる理由にされる結果となった。

つまり

軽蔑の言葉が良い効果を持つのは

聞き手がすでに

話題に共感しているときのみであった。

 

 

教えは何か

最近ではクソうまい

などの表現が使われることがあるように思います。

 

侮蔑的な言語は

それだけ人の感情や情緒に

ダイレクトに呼びかける

力強さを持っているのかもしれません。

 

 

 

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