名曲喫茶の思い出

阿佐ヶ谷ヴィオロン


蓄音機のイラスト

ビアーザキャット
ビアーザキャット
今日は私の昔話だにゃ(=^・^=)

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阿佐ヶ谷にあるヴィオロン。20年近く前の話です。

今私の住む街にはこのような名曲喫茶はなく大変残念です。

お近くに住まれている方が大変うらやましい。

できれば一生通い続けていたかった、そんな名店です。

初入店の思い出


阿佐ヶ谷に降り立ち、ネットのざっくりした地図だけを頼りに路地を進んでいきます。

人の少ない通り。ようやくお店の前につきました。

本当に喫茶店だろうか…営業しているのか…

お店の周りには猫が数匹。中からはうっすらとクラシックの曲が流れてきます

なんだかジブリのアニメに出てきそうな店だな…猫にもクラシックの音楽は心地よいのかしら…

恐る恐る扉を開けます。

しかし入店するも誰も出てこず…

店内は薄暗く、中にはいかにも常連客。毎日来てますといった人たちが数名。

私は数秒、ただ入口に立ちつくしたのでした。

しかし私にはこの雰囲気が不快なものではありませんでした。

奈良の山に修行に来た坊さんは、修行に行った寺ではじめは門前払いされるそうです。

代わりに私はそんなことを思い出していました。

「今は修行僧は受け付けてはいない」と一度は寺に断られるも、

ねばって何時間か玄関に立ちつくしていると、寺の僧が戻ってきて

「馬小屋なら空いているが」と修業を許されるといった話。

(記憶があいまいなので、いろいろ違うかもしれませんが。)

ぜひここに来たい。たくさん来たい。その思いからそっと近くの席に座り、

黙って流れてくる音楽に耳を傾けています。

「おそらく今携帯電話でも出し、おしゃべりなど始めたら二度とこの店には来れないかもしれない」

そんな緊張感を私は勝手に楽しんでおりました。

 

何になさいますか?

音符とコーヒーカップが重なったイラスト

じっと耐えていますとようやく店長思しき方がきます。

「何になさいますか」

その時私は「ああ合格したんだな。」と私は安堵しコーヒーを注文いたしました。

私は仲間に入れた感がありました。

もちろん2度目からは待たされることなく注文を聞きに来てくれました。

私は何度か足を運び、とても居心地の良い時間を過ごさせていただきました。

私がうかがっていたころは、今から20年も前の話です。(光陰矢の如し!)

いまでは初めての方にも待たせるといったことはしていないのかもしれませんし、

そもそも私の言った時が、たまたま接客が遅れてしまったといった話だけかもしれません。

しかし、そのような一種の通過儀礼があの静謐な空間を守っているように思えてなりませんでした。

去年一度出張のついでに立ち寄ろうとお店の前まで行きましたが、

たまたま地域の行事か何かでお休みされていました。

また機会があればぜひ立ち寄ってみたいお店です。

阿佐ヶ谷ヴィオロン ホームページ

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