霜山徳爾先生の思い出(わずかな)
目次
臨床心理学者・・霜山徳爾先生の思い出
ここに荷物を置かせてください
20代の頃
渋谷にある心理学の教育講座で
初めて霜山先生の生の講義を
受けさせて頂いたことがありました。
私は講義が始まる前
教室の最前列の机に座り
先生が来るのを待っておりました。
先生は
何者でもない私の席の隣に荷物を置き
「すみませんがここに荷物を置かせてください」
と丁寧に言葉かけをしてくださったのでした。
私はただただびっくりして
その先生の顔を見たのでありました。
まさか今のご老人が霜山先生では…
私はその一言で完全にノックアウトされ
より一層
霜山先生のファンになったのでありました。
手招きしてくださった思い出
いつかの講演会では
発話者として最前列に座っていた
霜山先生の隣の席が
いくつか空いておりました。
おそらく招待された
来賓の方の席であったと思われます。
私は壇上近くの入場口の見張りする役で
出入り口付近に立っておりました。
ふと見ると
霜山先生が隣の席が空いているから
とこちらに向かって手招きして
『ここに座りなさい』と
合図をして下さったのです。
私は大変恐縮しながらも
先生に近づける
数少ないチャンスでありましたので
思い切って隣の席に座り
しばらく講演を聞いておりました。
先生の息使いなどを
確かに感じる事が出来ました。
私にはただただそのことが嬉しくて
その時の講演の内容は
申し訳ありませんが
あまり覚えておりません。
心理士として初心に帰る時
私は今
心理カウンセラーとして仕事をしています。
そのきっかけを作ってくれたのが
高校生の頃
現代文の授業で読んだ
霜山先生の文章だったのです。
「シベリヤのおもちゃ」
というシベリア抑留された
日本兵の強制収容所での体験
について触れられており
人間に対する深い洞察が書かれていました。
「人間とは何か」
そのような複雑な問いに
真正面から取り組まれているような
誠実さに高校生の私は
心を打たれました。
今でも霜山先生にまつわる思い出は
良い思い出となって
私の中に残っております。
心理士として
初心に帰るとき
読みたい本が霜山先生の本です。
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